【4月10日 AFP】ロンドン五輪陸上男子110メートルハードルで金メダル奪還の夢を絶たれた中国の劉翔(Liu Xiang、リュウ・ショウ)が、けがの回復が間に合わず今シーズンの競技復帰を見送る可能性が高いと報じられた。

 アテネ五輪の同種目で金メダルを獲得しており、中国では絶大な人気を誇る劉翔について孫海平(Sun Haiping)コーチは、アキレスけん断裂から「完全に回復する」と明言したものの、今季は競技に参加しないだろうと見通しを語った。

 孫コーチは中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)に対し、「私たちは完治を望んでいるが、現時点では本格的にトレーニングできる状態にはない。よって、今シーズンは全競技会の出場を見送るだろう」と語っている。

 米国で治療を受けている劉翔が、5月に開催されるダイヤモンドリーグ2013(IAAF Diamond League 2013)第2戦上海大会を欠場することも発表されいる。ここ数年、劉翔は同大会で最も注目を集める選手だった。

 ロンドン五輪の予選で劉翔は、最初のハードルに衝突して大きく転倒した後助け起こされ、片足跳びでゴールまで進んで最後のハードルに口づけして競技会場を後にした。

 劉翔は連覇をかけて臨んだ北京五輪でも予選のレース直前に棄権しており、2008年大会の悪夢を再び見た中国のファンは落胆し、生中継を行っていた同国テレビ局のコメンテーターは放送中に涙を流した。(c)AFP