【4月10日 AFP】スイスの高級ホテルグループ「ケンピンスキー(Kempinski)」は9日、北朝鮮の平壌(Pyongyang)で20年以上にわたって建設中だったピラミッド型高層ホテル「柳京ホテル(Ryugyong Hotel)」の開業計画を断念すると述べた。

 105階建ての柳京ホテルは建設計画が繰り返し延期され、国際メディアから「滅びのホテル(Hotel of Doom)」などと呼ばれていた。

 ケンピンスキーの広報担当者、ブリジット・ホールテーラー(Brigitte Hohl Taylor)氏は、AFPの取材に電子メールで「ケンピンスキーホテルと中国の北京首旅集団(Beijing Tourism GroupBTG)とのジョイントベンチャー、キーインターナショナル(KEY International)は、北朝鮮の平壌にホテルを操業する初期段階の交渉を進めていた」と述べた。

「しかしながら、市場参入が現在不可能であるため、その後、合意は一切交わされていない」と同広報は述べた上で、AFPの電話取材に対し、交渉が中断されたことを明らかにした。

 昨年11月には、ケンピンスキーが同ホテルを今年7~8月にオープンさせたいと発表していたが、今月7日、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post、南華早報)が、ケンピンスキーの計画断念の決定を報じた。

 柳京ホテルは、2011年12月に死去した金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が1987年に建設を命じたとされる。当初はフランス企業の技術と資本での建設を予定していた。

 2008年には、米男性誌エスクァイア(Esquire)に「人類史上最悪の建物」に選出されている。(c)AFP