【4月1日 AFP】数世紀にわたり英国とアルゼンチンによる領有権の主張が衝突している英領フォークランド諸島(Falkland Islands)を舞台に、アルゼンチンの「警官」が英国人「テロリスト」を撃ち殺していくというビデオゲームをアルゼンチンの会社が製作した。

 南大西洋上に位置し、英国が実効支配するフォークランド諸島についてアルゼンチンは数世紀にわたって領有権を主張してきた。1982年には74日間に及んだフォークランド紛争も勃発した。
 
 アルゼンチン・ロサリオ(Rosario)のゲーム会社「ダタテック(Dattatec)」が開発した「カウンターストライク(Counter Strike)」は、「ファーストパーソン(一人称視点)シューター」(FTS)と呼ばれるタイプのシューティングゲーム。人気を呼んでいるこのオンラインゲームは、「フォークランド紛争でもしもアルゼンチンが勝っていたら」という架空の設定で、アルゼンチン人警官が英国の「テロリスト」からフォークランド諸島を防衛する。

 同社広報のフェルナンド・ジョレンテ(Fernando Llorente)氏は「誰かを攻撃しようという意図はないが、重要な問題に対する関心を高める一助になると思っている。このプロジェクトには非常に好意的な反応を得ている」と説明している。ゲームをプレーした世界中の8万6000人からも否定的なコメントは届いていないという。

 ゲームの中には、中南米全体で使用されている同諸島の呼称で「マルビナス諸島(Islas Malvinas)はアルゼンチンのもの」と記した大きなメッセージも出てくる。またジョレンテ氏によれば「アルゼンチン軍の退役兵に敬意を払い」、英国旗は一切登場しない。(c)AFP