【3月28日 Relaxnews】「太った乗客には航空券代に追加料金を課すべき」としたノルウェーの経済学者の主張が、世界的な議論を呼んでいる。

■「重ければ燃料費がかかる」

 機体の重量が増すほど、さらに燃料を要する。支出の多くを燃料費が占める航空各社にとって、「重さ」は現在進行形の問題だ。

 すでに数社の航空会社が、座席左右の肘掛けの間に体が収まりきらない乗客に対し、もう1席分を購入するよう求めて批判を浴びているが、こうした状況を背景に発表されたノルウェーのソグン・オ・フィヨラーネ大学(Sogn og Fjordane University College)のバラト・P・バッタ(Bharat P. Bhatta)氏の論文が物議を醸した。

 学会誌「Journal of Revenue and Pricing Management(収入と価格設定管理)」に掲載されたバッタ氏の論文は、経営に苦慮する航空業界の救済策として「体重に応じて支払う方式」を提唱する内容だ。

 英誌エコノミスト(Economist)の引用によれば、バッタ氏は機体の重量が1キロ減るごとに3000ドル(約28万円)相当の燃料が節約できると計算。許容量をオーバーした超過手荷物には追加料金をとっているのだから、体重の「超過分」にも料金を課してはどうかという主張だ。

 体重に基づく航空料金の課金方法としてバッタ氏は、体重1キロごとに課金する方法、太った乗客には一定の追加料金を課し体重が軽い乗客には割引する方法、体重によって料金を「高額」「一般」「低額」の3グループに分ける方法の三つを挙げている。

 ただし「体重に応じて支払う方式」は、体重が重い人たちへの差別と捉えられる可能性があることもバッタ氏は認めている。

■航空会社も苦肉の策

 航空業界と体重をめぐる問題では2011年、米サウスウエスト航空(Southwest Airlines)の地上スタッフが、体重が100キロを超えていた女性乗客に「搭乗させるには太り過ぎている」として、座席をもう1席分購入するよう求めたことから、同航空は危機的なイメージダウンを被った。

 一方、仏エールフランス(Air France)は「体重が多い乗客」に対し、25%の割引料金でエコノミー席の2席目を購入するよう求めている。この場合、離陸後に1席でも空席があれば2席目分の代金は全額払い戻すという。(c)Relaxnews/AFPBB News