【3月23日 AFP】米国反ドーピング機関(United States Anti-Doping AgencyUSADA)は22日、元ボクシング世界王者のエリック・モラレス(Erik Morales)から陽性反応が出たことを発表した。

 USADAによると、2012年10月に行われたダニー・ガルシア(Danny Garcia)との世界スーパーライト級タイトル戦前に、モラレスから採取された2つのサンプルから陽性反応が確認されたとしている。

 結果を不服とする調停手続きを拒否したモラレスには、2年間の出場停止処分が言い渡された。

 2012年10月3日と10日にメキシコで採取されたモラレスの尿からは、禁止薬物である筋肉増強剤クレンブテロール(clenbuterol)が検出された。

 しかし、モラレスはサンプル採取後の10月20日に米ニューヨーク(New York)で行われたタイトル戦で、プロ転向後無敗を誇る王者ガルシアに4ラウンドKO負けを喫しており、結果は禁止薬物があまり役立たなかったことを示している。

 モラレスは通算52勝(36KO)9敗の成績を残しているが、前日軽量で体重オーバーとなりガルシアに判定負けを喫した2012年3月の試合を含め、最近4試合で3敗している。

 プロボクシングでは世界反ドーピング機関(World Anti-Doping AgencyWADA)の公認プログラムが導入されていないが、特定の試合前には広範囲にわたるドーピング検査を実施すべきだとして、ボクサーとプロモーターの多数はUSADAに資金提供を行っている。

 USADAのプログラムは事前通知なしで無作為に血液と尿が採取され、試合前にはあらゆる分析が終了し、対戦する両者が反ドーピング規則に同意することを求めている。(c)AFP