【3月19日 AFP】インド自動車大手マヒンドラ&マヒンドラ(M&M)は18日、国産の電気自動車(EV)「e2o(イーツーオー)」を発売した。価格は59万6000ルピー(約100万円)。国外市場でも来年中の発売を目指している。

 e2oは2ドア4人乗りのハッチバック・タイプのオートマ車で、最高時速は80キロ。15アンペアの電源ソケットを使って5時間でフル充電できる。1回の充電での走行距離は100キロ程度だ。また通常は高級車の仕様だが、主要機能を監視するコンピューター10基が搭載され、修理が必要な場合は警告を出す。

「これが、交通の未来へのわれわれのビジョンだ」と、M&M会長のアナンド・マヒンドラ(Anand Mahindra)氏は、ニューデリー(New Delhi)で記者団に語った。同会長は、自動車の排ガスによる呼吸器系などの疾患や環境問題などへの批判がますます高まる中、人口12億のインドは「転換点にある」と述べ、「クリーンエネルギーの未来を作らねばならない。環境に優しい交通手段が今必要とされている」と語った。

 M&Mは、近所での走行用や2台目として自家用車を探している裕福な家庭をターゲットに据えている。また、来年中に欧州市場とアフリカ市場で発売する目標だ。

 e2oの価格59万6000ルピーは、同じサイズのハッチバックのガソリン車と比べて最大30万ルピー(約50万円)ほど高い。だがM&Mによれば、燃料費は年間7万ルピー(約12万円)ほど節約できる。また太陽光パネルの屋根の下で充電すれば、さらに電気代を節約することも可能だ。オイルフィルターや点火プラグ、ラジエーターなどもないため、メンテナンス費用も減らすことができる。

 インド政府は、2020年までにEV600万台が路上を走ることを目指した40億ドル(約3800億円)規模の支援計画を発表しており、M&Mは政府がこの計画を継続することを見込んでいる。

 e2oはバンガロール(Bangalore)の工場で年間3万台が製造される。M&M重役は、当初目標としては月間400~500台を販売できれば「満足」だと語った。(c)AFP/Penny MacRae