【3月19日 AFP】英国の大邸宅に飾られていた絵画が、17世紀のオランダの画家、レンブラント(Rembrandt)の時価2000万ポンド(約28億9000万円)相当の自画像だったことが判明し、話題となっている。

 自然・史跡保護団体ナショナルトラスト(National Trust)の15日の発表によると、この絵画は2010年に同団体に寄贈されて以降、イングランド南西部デボン(Devon)州に同団体が所有する元貴族の館バックランド・アビー(Buckland Abbey)に飾られていた。

 レンブラントの弟子の1人による作品だと長年考えられていたが、レンブラント専門家の鑑定の結果、本人の自画像だと確認された。制作年は1635年となっており、当時29歳のレンブラントがダチョウの大きな白い羽根が付いた帽子をかぶっている。改めて時価2000万ポンド相当と評価されたが、同団体は国に代わって所蔵しているため売却することはないとしている。

 バックランド・アビーは16世紀の探検家フランシス・ドレーク(Francis Drake)の元館。レンブラントの自画像は、裕福な不動産開発業者が亡くなった後にその妻から寄贈されこの館にやって来たものの、飾れる場所がなく最初の1年半は倉庫に保管されていたという。

 突然、ナショナルトラストが所有する「最重要絵画」になったこの作品についてアビーの管理人、ジェズ・マクダーモット(Jez McDermott)氏は「ここを訪れる多くの人たちがこの絵の前をただ通り過ぎていただろうに。これからは全く変わるだろう」と興奮を語っている。(c)AFP