【3月10日 AFP】中東ゴラン高原でシリアの反体制派勢力に拘束されていた国連平和維持部隊の隊員が解放され、9日ヨルダンに到着した。

 国連とフィリピン政府の発表によると、国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)のフィリピン人隊員21人は、6日から拘束されていたシリア国内を離れ、無事にヨルダンに入ったという。

 国連は8日に隊員を保護しに行く計画だったが、シリア軍がこの地域を砲撃したため中止していた。しかし、シリア軍は砲撃を否定し、国営シリア・アラブ通信(SANA)によると同外務省は9日、国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長と国連安全保障理事会(UN Security Council)宛に書簡を送り、「テロリスト(反体制派)による国連軍と住民への攻撃を非難した」という。

 シリアで約2年前に内戦が始まって以来初めてとなった今回の人質事件は、世界中から非難され、外交政策にも混乱が生じた。また、さらに多くの国が、すでに不足がちな国連の平和維持活動から部隊を撤収させるのではないかという懸念も出ている。(c)AFP/Musa Hattar