【3月1日 AFP】人生の暗い部分に目を向けがちな高齢者は、楽観的な人よりも病気や死亡のリスクが低く、長生きする傾向があるとした調査結果が28日、ドイツのシンクタンク「ドイツ経済研究所(DIW)」により発表された。

 ドイツとスイスの合同チームが行った調査により、自分の人生に対する満足度が将来平均を上回ると考えている高齢者は、他と比べて死亡率が10%高く、身体上の健康問題を抱えることになる傾向も強いことが分かったという。DIWは「将来に関する悲観的な考え方を持つ高齢者は、自分の体に気を遣い、リスクの予防策をより多くとる可能性がある」と説明している。

 調査を行ったのは、独ベルリン(Berlin)に拠点を置くDIW、スイスのチューリヒ大学(University of Zurich)などの合同チーム。

研究チームは、1993~2003年にかけて収集した長期データを分析。対象となった3つの年齢グループの人々には毎年、自分の人生に関する現在の満足度と、5年後の満足度予想を答えてもらった。また、10年間の調査期間中、参加者らは5年前の満足度予想が当たったかどうかをそれぞれ6回聞かれた。

 結果、年齢が高いグループの25%が将来の満足度について現実的な予測をしていたが、43%は現実より低い予想、残る32%は現実より高い予想をしていた。また、青年層の大半は将来について楽観的で、中年層は現実的な予測をする人が多かった。(c)AFP