【2月21日 AFP】ブルガリアのボイコ・ボリソフ(Boyko Borisov)首相(53)は20日、電気料金急騰に対するデモが拡大している事態を受け、内閣を総辞職すると発表した。これにより、7月に予定されている総選挙が前倒しされる可能性もある。

 ボリソフ首相は議会で「われわれを政権の座に置いたのは国民だ。きょう、権力を国民の元へ戻す」と述べた。その上で「わたしは暫定政府には加わらない。警察が民衆を傷つけたり、抗議行動の脅威が政治対話に取って代わるような政府には参加しない」と述べ、暫定政府に加わらない考えを示した。首相は前日の19日には辞職しないと述べていた。

 高騰する電気料金に反発して始まった抗議デモは右派政権に対する全国規模のデモへと発展し、10日間にわたってブルガリアを揺るがしていた。デモ参加者は政府の建物や警察車両、首都ソフィア(Sofia)の商店を破壊し、機動隊との衝突が続いた。これにより、数十人の負傷者が出たほか多数が逮捕された。

 現地の報道によると、デモが最初に起きた東部バルナ(Varna)の市庁舎前で20日午前、36歳の男が油をかぶって自らに火を放った。男は全身の80%に火傷を負い、入院したという。中部ベリコタルノボ(Veliko Tarnovo)では18日、精神疾患のある男が自身の体に火をつけて死亡した。

 ボリソフ首相は18日に国民の間で評判の悪い財務相の解任、19日にチェコの電力大手CEZの免許取消しの意向を相次いで発表して事態の沈静化を図っていた。(c)AFP/Diana SIMEONOVA