【2月14日 AFP】ペルーの首都リマ(Lima)北方のチジョン川渓谷(Chillon River Valley)にあるエルパライソ(El Paraiso)遺跡で、約5000年前に建造されたとみられる神殿の跡が発見されたと、同国文化省が12日発表した。建造時期が確定すれば、世界最古の遺跡に仲間入りすることになる。

「炎の神殿(Temple of Fire)」と名付けられた神殿跡は1月中旬、エルパライソ遺跡で保存活動をしていたペルーの考古学チームが、遺跡の中心的存在であるピラミッドの一角で発見した。最初に見つかったのは供物を燃やすのに使われたとみられる炉の跡で、考古学チームを率いるマルコ・ギリェン(Marco Guillen)氏は「煙によって神官たちは神とつながることができた」と説明している。

 リマの北東40キロメートルにあるエルパライソ遺跡は、歴史を4000年前までさかのぼり、ペルー中部の古代遺跡では最大級。50ヘクタールにわたって10棟の建造物が確認されている。

 ラファエル・バロン(Rafael Varon)副文化相は記者団に対し、今回の発見は「リマ周辺がアンデス地方の文明化の中心地だった」ことを示していると語った。考古学者らは、沿岸部の古代文明社会では綿花などの作物が栽培され、漁師の釣った魚と交換されていたと考えている。(c)AFP