【2月13日 AFP】南アフリカのベテランボクサー、フランソワ・ボタ(Francois Botha)が、8日に行われたソニー・ビル・ウィリアムズ(Sonny Bill Williams)とのボクシングWBAインターナショナルヘビー級タイトルマッチを前に、ウィリアムズの代理人から負ける見返りとして15万オーストラリアドル(約1450万円)の報酬を提示されていたことを暴露した。

 44歳のボタは、試合の3日前にウィリアムズの代理人から取り引きを持ち掛けられたと主張した。ボタによると、代理人から電話を受けたボタは1人で来るように指示されて、ブリスベーン(Brisbane)市内の公園に呼び出されたという。

「代理人と連れ立って歩いていると、15万オーストラリアドルと引き換えに試合に負けてくれと言われた」

 提案に対しボタは「それはできない」と答えたというが、取り引きについてウィリアムズ本人が把握しているかどうかは言及していない。

 問題のタイトルマッチでは、オールブラックス(ラグビー・ニュージーランド代表)の一員として2011年のラグビーW杯ニュージーランド大会(Rugby World Cup 2011)の優勝に貢献したウィリアムズが勝利を収めた。また、ボタのドーピング検査で違反があったとの未確認情報が報じられたこともあり、この試合は形無しとなった。

 当初12回戦制として告知されていた試合は10ラウンドに短縮されて終了したが、代理人は試合後にボタのことを負け惜しみが酷い敗者だと酷評した。

 豪フェアファックス・メディア(Fairfax Media)の取材に対し代理人は、「ボタはまだ正気ではないのだろう。この男は10ラウンドに変更されたことを知らなかったと言った直後、本人とプロモーターが一緒になってやっぱり10ラウンドだったと言ってくるようなやつだ」

「さらにドーピング検査をやっていないと言い出したと思ったら、やったと手のひらを返し、私の兄弟が検査を担当したと言っている。そして今度はこれだ。次は何と言い出すんだ」

 試合はウィリアムズが勝利したものの、最終ラウンドにはボタがウィリアムズに何度も痛打を与え、ボタは残り2ラウンドあったら勝てていたと主張している。

 また、試合自体がWBA公認のものであるか疑問視する見解も出ており、ウィリアムズが獲得したとされるタイトルが正式に認定されるかどうかにも懐疑的な見方がされている。この試合にWBAの役員は出席していなかった。(c)AFP