【2月13日 AFP】米国版の緊急警報放送に12日、ハッカーが侵入してモンタナ(Montana)州のテレビ放送を一部中断し、「ゾンビの襲来」という奇妙な警告を発する事件が起きた。

 ハッカーが妨害したのは、異常気象など大惨事や大事故に関する警報や、国家的危機に際し大統領が国民に直接語りかけるときに使用される米国の緊急警報システム(Emergency Alert SystemEAS)。

 ハッカーはまずブザー音の後に「お住まいの地域自治体当局によると、墓場から死体が起き上がり、市民を襲っています」との音声を流した。続いて「画面のメッセージに従って行動して下さい。新たな情報が入り次第、更新されます。非常に危険と思われるので、ゾンビを捕まえようとしないで下さい」、「この警告は、本放送を受信している全地域が対象です。放送は間もなく終了します。今後の情報入手には電池式のラジオをご利用ください」などと放送した。

 地元テレビ局ABC10-CW5によると、この警告が流されたのは11日夜。少なくとも地元放送局4社の通常番組を中断する形で放送された。

 ABC10-CW5幹部がインターネット上で発表した声明によると、ハッカーらはバックドア経由でEASのセキュリティ・システムに侵入したことが確認された。また、ノーザン・ミシガン大学(Northern Michigan University)が運営するテレビ局、WNMU-TV 13も同日、ハッキングの被害を受けたという。

 モンタナ州グレートフォールズ(Great Falls)警察の報道官によると、市民からの問い合わせはあったものの、警戒が必要な状況は発生しなかった。「警告は事実なのかという電話が4件あったが、ゾンビが墓から出てきたという目撃証言は一つもない」という。(c)AFP