【2月12日 AFP】国際社会の警告を無視して北朝鮮が12日に3回目の核実験を実施したことに対し同日、米国や中国など各国が非難を表明している。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は核実験実施に対する「迅速」で「確かな」行動を呼び掛け、また中国も核実験に対して「強い反対」の意を表明した。インタファクス(Interfax)通信によるとロシアも国連決議違反を非難している。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)は日本時間12日午後11時に緊急会合を開く準備を進めており、国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は「地域を大きく不安定化させることを深く懸念する」と述べた。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相は、日本の安全に対する「重大な脅威」で「容認できない」と表明。また英国も、核実験に対する「強固な対応」を求めた。

 国連安保理は前月、北朝鮮が核実験に踏み切れば「重大な行動」で対応すると警告していた。また、核実験の実施は、オバマ大統領が一般教書演説を行う数時間前のことだった。

■オバマ大統領「極めて挑発的な行為」

 北朝鮮の核実験についてオバマ大統領は、「極めて挑発的な行為」で地域の安定を脅かし、国連安保理決議にも違反するとしながら、「北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルの計画は、米国の安全保障ならびに国際的な平和と安全保障に対する脅威をなす」と、ワシントンD.C.(Washington D.C.)現地時間12日午前2時(日本時間午後4時)に短い声明を発表した。

「北朝鮮の脅迫的な行動がもたらす危険に対しては、国際社会の迅速で確かな追加行動が必要となる」とオバマ大統領は述べ、米国は同盟国を守るために必要なあらゆることを行うと付け加えた。

■中国の圧力実らず、孤立する北朝鮮

 国際社会で孤立する北朝鮮の唯一の同盟国である中国は、核実験に対して「強い反対の意」を表明し、北朝鮮に「非核化への合意を守る」ことを要求した。

 最近の協議に加わっていた国連の外交官は、中国当局は北朝鮮の核実験を中止させるために特に力を注いでいたとし、「北朝鮮の核実験実施が目前に迫っていることを知り、中国は北朝鮮に対して強い警告を発していた」と匿名を条件に取材に応じた。

「北朝鮮が行ったことは、中国に対する挑戦だ」と同外交官は述べ、中国とロシア、米国は厳しい対応で迅速に合意する可能性が高いと付け加えた。同外交官によると、12日の緊急会合では制裁措置が合意されない可能性があるものの、安保理の「意図」は明確に示されるとみられるという。(c)AFP