【1月28日 AFP】スリランカの情報相は24日、同国の女性が海外で就業する際に賃金の低い単純労働に就くことを段階的に禁じ、いずれは全面的に制限する方針であることを明らかにした。手始めに中東諸国での就業を認める最低年齢を25歳に引き上げるという。

 ケヒリヤ・ランブクウェラ(Keheliya Rambukwella)マスメディア・情報相は、全面的な制限措置の実施時期については触れなかったが、政府はすでに、就業を目的とした中東諸国への渡航、特に家政婦の月給が300ドル(約2万7000円)を下回るサウジアラビアでは就業しないよう勧告している。

 就業の制限は、今月9日に2005年までサウジアラビアで家政婦として働いていたリザナ・ナシカ(Rizana Nafik)元死刑囚に対する死刑が執行されたことを受けての措置だ。

 ナシカ元死刑囚は雇い主の女性と口論になった後、生後4か月だった雇い主の子供を窒息死させたとして死刑判決を受けた。起訴当時17歳だった同元死刑囚への刑執行については、米国や国連(UN)をはじめとする国際社会から非難の声が上がった。

 スリランカでは約170万人が国外で就業。2012年には60億ドル(約5460億円)が国内の家族に送金されたとみられており、同国政府にとっては重要な外貨獲得手段の1つになっている。(c)AFP