【1月24日 AFP】イエイヌが肉食のオオカミから人間の残飯を食べる家畜へと進化したのは、でんぷんを豊富に含んだ食事を消化できるよう遺伝子が変化したためだとする研究結果が23日、英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。スウェーデン、ノルウェー、米国の共同研究チームが、イエイヌ14品種60匹と、世界各地から集めたオオカミ12匹の遺伝子コードを比較したところ、複数の明確な違いがあったという。

 論文の共同執筆者であるスウェーデン・ウプサラ大学(Uppsala University)のエリック・アクセルソン(Erik Axelsson)氏は、AFPの電子メール取材に「イヌの消化器系がわれわれ人間の食事に似たものを食べられるよう適応したことを示す発見だ」と説明した。

 これまでの研究では、イヌの家畜化が始まったのはオオカミが人間の居住地域の近くで残飯をあさり始めたことがきっかけだと考えられている。イヌは推定7000~3万年前にオオカミから枝分かれしたとされる。

「われわれは(進化の)謎を解く全く新しいカギを発見した。それは、イヌがより効果的なでんぷん消化能力を持っているということだ」とアクセルソン氏は述べた。これは、残飯を消化できるようになったオオカミだけがイヌの祖先に進化して生き延びた可能性を示しているほか、「イヌの家畜化が農業の発展と同時期に進んだことも示唆している」という。(c)AFP