【1月6日 AFP】飼い主が亡くなって1年経つ今もほぼ毎日「供え物」を持って墓参りしているイタリアのネコが話題になっている。

 このネコがいるのは、フィレンツェ(Florence)に近いイタリア中部の山あいの村、モンタニャーナ(Montagnana)。 「この子は小枝だの葉っぱだの、楊枝だのプラスチックのコップだの、本当に色んなものを持って行くんです」。夫のレンツォ・イオツェッリさんを昨年亡くしたアダさんは、夫が可愛がっていた飼いネコの「トルド」について話す。「わたしと行くときもあるし、自分だけで行っているときもあります。今では街のみんながこの子のことを知っていますよ」

 トルドは白とグレーが混じった3歳の雄ネコだ。昨年レンツォさんが亡くなったときには葬儀の列についてきた。それ以来ずっと、レンツォさんの墓に通い続けている。こうした習慣は犬にはよくみられる。

   「夫のことを本当に好きでしたから。ものすごく。今では私と娘、それから娘の夫だけになってしまいましたが、わたしたちのことも、とても慕ってくれています」

 アダさんによれば冬の寒さの中も毎日、墓との行き帰りを続けたせいで、トルドは少し弱ってしまったという。「最近はあまり外に出かけません。気管支炎っぽいようで、今はわたしの横で寝ています」(c)AFP