【12月7日 AFP】米ワシントン(Washington)州で6日、米国で初めて嗜好(しこう)用マリフアナ(乾燥大麻)の私的使用が合法化された。愛好家らは州内各地でパーティーを開いて祝った。

 合法化は米大統領選に合わせて11月6日に行われた住民投票で可決されていた。嗜好用マリフアナは連邦法では依然として禁じられている。

 報道によると、同州各地では新法が発効した12月6日午前0時(日本時間同日午後5時)に合わせ、マリフアナ合法化を祝うパーティーが開催された。シアトル(Seattle)にあるタワー「スペース・ニードル(Space Needle)」の外では約200人が集まり、マリフアナを吸いながら新たな「自由」の獲得を祝った。

 新法では、21歳以上に最高1オンス(28グラム)のマリフアナ所持を認めている。医療目的でのマリフアナ使用を認める州はすでに多く存在するが、単に「楽しみ」を目的としたマリフアナ使用の合法化は全米初。コロラド(Colorado)州でも11月6日、これに似た提案が住民投票により可決されたが、施行されるのは来年1月5日の予定だ。

■連邦法では禁止

 マリフアナ愛好家が集まるパーティーがワシントン州の各地で開かれたが、スペース・ニードルで行われたような集いは厳密には現在でも違法だ。新法はマリフアナの私的な場所での使用のみを合法とし、公的な場所での使用は禁じている。

 だがこの集いに対する警察の取り締まりは行われなかった。警察は路上や公共広場などでのマリフアナ使用に罰金50ドル(約4100円)を科すことができるが、今のところシアトル市警は違反者に対する措置を口頭での警告にとどめる方針を示している。

 ワシントン州とコロラド州での新法は、現在でも米国全土を対象に嗜好目的のマリフアナ使用を禁ずる連邦法に反するものだ。シアトルの連邦検事局は「州法がどう変わろうと、大麻の栽培、販売、所持は連邦法の下では違法であることに変わりはない」と述べている。

 一方、ワシントン州の財政当局は、合法的に販売されるマリフアナにかかる25%の課税を待ちきれない様子だ。これまでマリフアナ販売で生まれる金の動きは地下経済にとどまってきた。

 嗜好用マリフアナ合法化の是非を問う住民投票は、ワシントン州に隣接するオレゴン(Oregon)州でも先月6日に実施されたが、反対55%、賛成45%で否決されている。(c)AFP/Michael Thurston