【11月29日 AFP】宇宙観測史上最大かもしれない超大質量ブラックホールを2億2000万光年離れた小さな銀河「NGC 1277」の中心部に発見したと、米天文学者らが28日発表した。質量は太陽の170億倍で、銀河の7分の1を占めるという。

 研究チームによれば、標準的なブラックホールが銀河に占める質量の割合は0.1%ほど。これほど巨大なブラックホールは想定外で、宇宙の形成に関する定説が見直しを迫られる可能性があるという。

  「NGC 1277」の大きさは地球のある天の川銀河(Milky Way)のわずか10分の1だが、ブラックホールの「口」の大きさは、海王星の太陽周回軌道の11倍以上にも及ぶ。

 米テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)のカール・ゲプハルト(Karl Gebhardt)氏はメディア向け声明文で、「本当に風変わりな銀河。ほとんど全てがブラックホールでできている。銀河系とブラックホールの新分類に属する最初の天体かもしれない」と述べた。

 現在、観測史上最大の質量を持つとされるブラックホールは2011年に発見されたものだが、まだ質量を割り出す精密な観測が実施されていないため、今回見つかったブラックホールが史上最大である可能性がある。(c)AFP