【11月20日 AFP】米カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)で20日、公共の場所で裸になることを禁止する条例の採決が行われる。

 同性愛者が集まることで知られるサンフランシスコのカストロ(Castro)地区に15年前から暮らしているスコット・ウィーナー(Scott Wiener)さんが提案した条例は、5歳未満でない人が公共の場所で性器や肛門部を暴露することを禁じるというもの。違反者には初回は100ドル(約8100円)の罰金を科すが、3度目には500ドル(約4万500円)罰金と禁錮1年を科す。

 先週にはウィーナーさんの条例成立阻止を狙う訴訟が起こされ、この訴訟を支持する人たちが裸になるのを禁じるのは合衆国憲法で保障された言論の自由の侵害だとして市庁舎の周囲でデモを行った。これについてウィーナーさんはABC7テレビで、裸になることを禁じる規制はカリフォルニア州の一部を含む米国各地で既に行われているもので、訴訟はつまらないパフォーマンスだと述べた。

■言論の自由の侵害という声も

 1960~70年代の同性愛者権利運動の発祥地で、おしゃれなカフェやバーと性関連の店舗が共存しているカストロ地区は、自由でリラックスした雰囲気で知られるサンフランシスコでも最も考え方が自由な場所だ。

 カリフォルニア州の法律で「わいせつな意図で」性器を見せることは禁られているが、サンフランシスコではわいせつかどうかは見る人の判断にまかされている。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)によると、提案されている条例は毎年恒例のゲイ・プライド・パレードなど幾つかのイベントを例外と規定している。エド・リー(Ed Lee)サンフランシスコ市長はABC7テレビに「われわれは(言論の自由などを定めた)合衆国憲法第1修正のことだけを話しているのではない。自己顕示をやりすぎる人たちがいる」と語った。条例が発効するには、可決後に市長の署名が必要となる。(c)AFP