【11月15日 AFP】フランスの女優エヴァ・イオネスコ(Eva Ionesco)さんが12日、子供の頃にヌード写真を撮影され出版されたとして、実の母親を相手取って20万ユーロ(約2000万円)の損害賠償を求める裁判を起こした。

 問題とされる写真はエヴァさんが4歳~12歳だった1970年代に、イオネスコさんの母親で写真家のイリナ・イオネスコ(Irina Ionesco)被告が撮影したもの。いずれも性的に露骨な写真で、中でも11歳のときのヌード写真は米男性誌プレイボーイ(Playboy)に掲載され、イオネスコさんは同誌最年少のヌードモデルとなった。その他、複数の写真が米男性誌ペントハウス(Penthouse)にも掲載された。

 イオネスコさんは「子ども時代を盗まれた」と訴え、写真の返却も求めている。

 イオネスコさんの代理人を務めるジャックジョルジュ・ビトゥン(Jacques-Georges Bitoun)弁護士は法廷で、70年代は「小児性愛者のネットワークがまだ大きな影響力を持っていた時代」だと指摘した上で、「4歳の少女の脚を開かせ写真撮影するなんて、どうしてできるのだろうか」と問いかけた。

   「子供をこのような姿勢で撮影することが芸術ならば、私は芸術のことを全く知らないのだろう。(写真では)子供が子供としては一切表現されておらず、売春婦扱いされている」(ビトゥン弁護士)

 一方、被告側代理人のルネジャン・ウルマン(Rene-Jean Ullmann)弁護士は、70年代は「もっと寛大な」時代だったと反論し、イオネスコさんが「母親に対する憎しみ」にかられて訴訟を起こしたとの疑惑を指摘した。

 判決は12月17日に下される予定だ。(c)AFP