【11月6日 AFP】来日中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(77)は5日、横浜で記者会見し、日本との領土問題など中国が抱えるさまざまな問題について語った。

 ダライ・ラマは、中国が諸問題を解決するための最良の制度は民主主義であるとの見方を示した。

 その上で中国の教育制度について、ナショナリズムを過度に重視すれば困難の原因になると述べ、現在の教材は「極端で、中国の文化と国家が世界で最も優れていると言っているようなもの」であり、「感情面が強く関与し過ぎているため現実的でない」と批判した。

 さらに日中関係について、中国人の多くは「情報不足」のせいで日本人を戦時中の残虐行為にのみ関連づけていると指摘。これが尖閣諸島の国有化をきっかけとした9月の暴力的な反日デモにつながったと語った。

 日中両政府が尖閣問題を解決することが出来るかと問われると、「基本的に、中国は日本を必要としており、日本は中国を必要としていると思う」と述べ、「もっと全体論的に考えるべき。小さな意見の食い違いが(衝突を)生み出してはならない。もっと広い視野で考えるべきだ」と続けた。(c)AFP/Kyoko Hasegawa