【11月2日 AFP】「バマとロムニーばっかりで、もう嫌!」と泣きじゃくる小さな女の子の動画が、連日続く米大統領選キャンペーンにうんざりしていた米国人たちの間で大きな共感を呼んでいる。

 ハロー・キティ(Hello Kitty)柄のピンク色の上着を着たアビゲイルちゃん(4)が目から大粒の涙をこぼして泣きじゃくるビデオは10月30日、母親によって動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿された。

 どうして泣いているのか母親が尋ねると、アビゲイルちゃんは「ブロンコ・バマとミット・ロムニーばっかりで、もう嫌になっちゃったの」と答える。「それで泣いていたの?もうちょっとの辛抱だからね、アビー。選挙はもうすぐ終わるから」となぐさめる母親の声に、アビゲイルちゃんは必死に涙をこらえ、渋々「わかった」と答える。

 米大統領選もラストスパートの時期に入り、バラク・オバマ(Barack Obama)大統領とミット・ロムニー(Mitt Romney)候補はテレビやラジオのコマーシャルから新聞記事まで、ありとあらゆるメディアを駆使して日々、熾烈な選挙キャンペーン合戦を展開している。そんな状況に絶望したアビゲイルちゃんの涙は、多くの米国人の心をとらえた。

 アビゲイルちゃんが泣き出した原因が、買い物に行く途中で米公共ラジオNPRからひっきりなしに流れてきた両候補の選挙CMを耳にしたことだと知ったNPRは、「申し訳ない。NPRと他のニュースメディアを代表してアビゲイルちゃんに謝ります」とウェブサイト上のブログで謝罪。「実を言えば、われわれも選挙キャンペーンはちょっと長すぎると思っていました。『あと数日、あと数日』と念じつつ乗り切りましょう」と付け加えた。

 今やアビゲイルちゃんはちょっとした人気者だ。米CNNテレビが1日にアビゲイルちゃんのニュースを報じたほか、マイクロブログのツイッター(Twitter)上でも同情のつぶやきが多く投稿されている。

 アビゲイルちゃんの動画は、http://www.youtube.com/watch?v=OjrthOPLAKMで見ることができる。(c)AFP