【10月24日 AFP】8月に米カリフォルニア(California)州で橋から飛び降り自殺した映画『トップガン(Top Gun)』監督の故トニー・スコット(Tony Scott)氏の遺体から抗うつ剤と睡眠導入剤が検出されていた。検視官が22日、明らかにした。

 68歳だったスコット氏は今年8月、ロサンゼルス港(Los Angeles Harbor)にかかるビンセント・トーマス橋(Vincent Thomas Bridge)から飛び降り自殺し、ハリウッドに衝撃をもたらした。自殺直後の報道ではスコット氏が手術不可能な脳腫瘍と診断されていたと報じられたが、夫人のドナ・ウィルソン(Donna Wilson)さんが「まったくの嘘」と否定していた。

 ロサンゼルス(Los Angeles)郡検視局によると、検視の結果、スコット氏にはがんなどの命に関わる症状はみられなかった。また、スコット氏の体内から治療レベルの抗うつ剤ミルタザピン(商品名レメロン)と睡眠導入剤ゾピクロン(商品名ルネスタ)が検出された。死因は、複数の鈍器損傷と溺れたことだったという。

 クレイグ・ハービー(Craig Harvey)首席検視官は、米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に対し、スコット氏には重篤な基礎疾患がなかったと述べ、「がんだったという証拠はなかった」と語った。(c)AFP