【10月19日 AFP】ロケット技術を使った20万馬力の超音速「ロケットカー」で、時速約1600キロを超える地上速度の世界最高記録をオーストラリアのチームが狙っている。

「オージー・インベーダー5R(Aussie Invader 5R)」と名付けられたこの超高速車体で2014年に記録達成を試みようとしているのは、ロスコ・マックグレシャン(Rosco McGlashan)氏(62)らのチーム。18日の発表会見でこの「ロケットカー」の一部を公開した。

 命知らずのドラッグレーサーとして知られるマックグレシャン氏は、12歳だった1964年、オーストラリアのエア湖(Lake Eyre)で英国人レーサーのドナルド・キャンベル(Donald Campbell)氏によって時速約645キロの記録が打ち立てられる瞬間を目撃。以来、世界最速の男になりたいと夢見てきた。

 地上最高速記録はその後何度か塗り替えられ、現在は1997年に同じく英国人のアンディ・グリーン(Andy Green)氏が打ち立てた時速約1230キロが世界最高。この現記録保持者のグリーン氏も、やはり2014年に「ブラッドハウンドSSC(Bloodhound SSC)」というマシンで時速1600キロ超えを狙っている。

「地上最速記録はこの1000年間、英国が保持してきた」と認めるマックグレシャン氏。しかし、「オージー・インベーダー5R」ならば20秒で一気に時速1600キロ超まで加速し、新世界記録を樹立できると信じている。総額400万豪ドル(約3億2800万円)をかけて開発された全長16メートル、燃料満載時の重量が9トンになる「オージー・インベーダー5R」は、ロケット燃料の液体酸素とケロシン系バイオ燃料を使い、重力加速度の3倍で加速して超音速で走る。(c)AFP