【10月16日 AFP】英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相とスコットランド行政府のアレックス・サモンド(Alex Salmond)首相は15日、2014年にスコットランドの独立の是非を問う住民投票を行うことで合意した。独立が支持されれば、連合が成立してから300年を経て英国が分裂する可能性がある。

 キャメロン首相とサモンド首相はエディンバラ(Edinburgh)にあるスコットランド行政府庁舎で会談した後、合意書に署名して握手を交わした。

 キャメロン首相は「きょうは英国にとって重要な日だ。ある国をその国民の意に反して英国の構成体としてとどめることはできない」と述べ、「スコットランドの人々は住民投票の実施を目指す党を選んだ。スコットランドと英国にとって、今回の住民投票実施に関する合意は人々に選択肢を与える望ましい成果だ」と加えた。

 その一方で同首相は「英国が現状のまま維持されることに人々が賛成するものと強く期待し、信じている。われわれは連合を組むことでより良い状態になり、一層強く、より安全でいられる」と訴えた。

 スコットランドは独立した法体系を持ち、行政府は医療や教育などの分野を担当している。2011年5月のスコットランド議会選で勝利したスコットランド民族党(Scottish National PartySNP)党首のサモンド首相は、行政府が外交、防衛、経済も担当できるようにすべきだとして住民投票の実施に突き進んできた。

 しかし世論調査会社TNS-BMRBが前週発表した調査結果によると、スコットランド独立に賛成は28%、反対が53%と、このところ独立賛成派が減ってきている。(c)AFP/Judith Evans