【10月11日 AFP】ロシア正教会の聖堂でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領を批判する歌を演奏して禁錮刑判決を受けた女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」のメンバー3人のうちの1人が10日、釈放された。

 釈放されたのは、エカテリーナ・サムツェビッチ(Yekaterina Samutsevich)さん(30)。ナジェージダ・トロコンニコワ(Nadezhda Tolokonnikova)さん(22)、マリア・アリョーヒナ(Maria Alyokhina)さん(24)とともにフーリガン行為の罪に問われ、禁錮2年の実刑判決を受けていた。

 しかし、10日の上訴審判決で裁判所はサムツェビッチさんに執行猶予2年を認め釈放した。残る2人は実刑のまま。

 最近交代したサムツェビッチさんの担当弁護士は、サムツェビッチさんは演奏に参加する前に身柄を拘束されており、大聖堂での演奏には完全には関与していなかったと主張していた。

 裁判所から出てきたサムツェビッチさんは、報道陣に「もちろん嬉しい。でも残る2人の判決が変わらなかったことはショックだ」と語ると、友人らに囲まれ慌しく車に乗り込み、その場を後にした。

 判決を受けたメンバーのうちサムツェビッチさんだけが釈放された理由をめぐって、憶測が高まっている。(c)AFP/Maria Antonova