【10月5日 AFP】福岡工業大学(Fukuoka Institute of Technology)の研究チームが開発した手のひらサイズの超小型人工衛星「FITSAT-1」が11月、地球の軌道を回りながら世界の夜空に向けて「メッセージ」を発信する。同大の田中卓史(Takushi Tanaka)教授が5日、AFPの電話取材に明かした。

 福工大の「FITSAT-1」は1辺が10センチの立方体型の人工衛星で、福岡の伝統話芸「博多にわか」にちなんだ「にわか衛星」の愛称を持つ。太陽エネルギーを動力源とする。5日、国際宇宙ステーション(International Space StationISS)から宇宙空間に放出され無事、地球の軌道に乗った。 

 11月に、LED(発光ダイオード)を点滅させたモールス信号で、地球の夜空に「「Hi this is Niwaka Japan」とのメッセージを残す実験を行う予定だ。

 この実験に特に科学的な目的はないが、大勢の人が楽しめると田中教授。当初メッセージは日本に向けてのみ送信するつもりだったが、米国やイタリア、ドイツ、英国、ハンガリー、ブラジルなどから「メッセージを受け取りたい」との要望が多数寄せられ、世界各地で実施することになった。メッセージはだという。

 また、搭載カメラで地球の画像を撮影し、高速データ通信で地上局に送信する実験も行う。

「にわか衛星」の位置やメッセージ送信についての詳細情報は、福岡工業大学のウェブサイト(http://www.fit.ac.jp/kenkyu/fitsat1/)で確認できる。(c)AFP/Miwa Suzuki