【10月3日 AFP】1日投票の旧ソ連・グルジアの議会選挙(定数150)で、ミヘイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)大統領は2日、自らが率いる政権与党「統一国民運動(United National Movement)」が野党連合「グルジアの夢(Georgian Dream)」に敗れたことを認めた。

 議会選は比例代表と選挙区(全国73選挙区)の並立制で行われ、議席の半数超が比例区で、残りが選挙区で選ばれる。

 開票率72.84%時点の比例区の得票率は、グルジアの夢が54.02%、統一国民運動が41.23%。選挙区では野党が強い首都トビリシ(Tbilisi)の10選挙区のうち9区でグルジアの夢の候補者がリードしている。中央選挙管理委員会によると投票率は61%だった。

 サーカシビリ大統領は議会選後もその地位にとどまるが、富豪のビジナ・イワニシビリ(Bidzina Ivanishvili)氏率いる野党連合が議会と政権を支配することになる。憲法改正でサーカシビリ大統領の2期目の任期後に議会と首相の権限が強化されるため、議会選の結果はグルジアの今後に大きな影響を与える。

 刑務所での受刑者虐待に対する抗議が全国に広がったことで、与党は苦しい選挙戦を強いられた。イワニシビリ氏は1日に勝利宣言し、選挙後初の記者会見でサーカシビリ大統領の辞任を求めた。この日野党支持者らは夜遅くまでトビリシ中心部の通りに出て勝利を祝った。

 大統領が敗北宣言したことで、グルジアは、バルト諸国を除けば、旧ソ連諸国としてはソ連崩壊後初めて平和的に政権交替することになった。9年間続いた反ロシア・親西欧的な政策が終わる可能性もある。
 
 統一国民運動は2003年のバラ革命(Rose Revolution)で旧ソ連の外相を歴任した当時のエドゥアルド・シェワルナゼ(Eduard Shevardnadze)大統領を辞任に追い込んだ後、改選前の議会で150議席中119議席を占めるなどグルジアを支配していた。有権者の間に広がっていた「サーカシビリ疲れ」も与党には不利に働いた。(c)AFP/Matthew Collin and Irakli Metreveli