【10月1日 AFP】インドネシアでたばこを吸うオランウータンとして人気を集めていたトーリ(Tori)が赤ちゃんを産んだ。トーリを飼育する中ジャワ(Central Java)州ソロ(Solo)のタル・ジュラグ動物園(Taru Jurug Zoo)が9月28日、明らかにした。

 リリク・クリスターノ(Lilik Kristanto)園長によると、15歳の雌のオランウータン、トーリは前月26日、完全な自然分娩で出産したという。「みな非常に喜んでいます。赤ちゃんは健康で、トーリも良い母親ぶりを見せています」

 新たな命の誕生は、絶滅が危惧されているオランウータンの将来にとって明るいニュースだ。

 トーリは5歳の頃から来園者が投げ入れたたばこの吸殻を吸い始め、徐々に依存症に陥ったため、同園では今年7月、園内の島にトーリを隔離して禁煙治療を施していた。だがクリスターノ園長によれば、トーリは妊娠期間中も、ほとんど喫煙していたという。

 動物専門家などによると現在、野生のオランウータンは2種、5万~6万匹で、その80%はインドネシア、残りがマレーシアに生息している。だが、密猟に加えてヤシ油や紙パルプの原料のプランテーション目的による森林伐採などで生息地を追われ、オランウータンは絶滅の危機に瀕している。(c)AFP