【10月1日 AFP】人は彼を「ドッグウィスパラー」と呼ぶ――人気テレビ番組「ザ・カリスマドッグトレーナー ~犬の気持ち、わかります~(原題:Dog Whisperer)」でホストを務めるシーザー・ミラン(Cesar Millan)氏(43)は、まるで「魔法」のようなイヌとのコミュニケーション術を駆使してペットと飼い主との間にある問題を解決していく。

 かつてメキシコから不法に米国へと移住したミラン氏だが、現在彼の番組は世界100か国以上で視聴されるほど人気を博すまでになった。その番組の一環としてミラン氏は9月29日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)の国立公園ナショナル・モール(National Mall)で、イヌとその飼い主たちとの集団散歩イベント「全米ファミリー・パックウォーク(National Family Pack Walk)」を開催した。パックウォークの開催は、今回が2度目だ。

 大統領選挙が予定されている今年、虐待されたり捨てられたりしたイヌたちの救済やリハビリ、さらには里親探しへの関心を高めることを目的として開催されたこの度のイベント。こうした問題の解決には法的な支援も必要だとミラン氏は考えており、「政治家たちには、動物たちの権利を守る法律にも関心と理解をもってほしい」と述べている。

 米国でペットとして飼われているイヌは約7820万匹を数えるが、米国動物虐待防止協会(American Society for the Prevention of Cruelty to Animals)によると、毎年数百万匹が保護センター送られ、その多くが安楽死処分となっているという。

 主催者発表でイヌと飼い主合わせて1万人(匹)が参加した29日のパックウォーク。連邦議会議事堂からリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)まで伸びる長い芝の道を参加したイヌたちは行儀良く歩いたという。(c)AFP/Robert MacPherson