【9月26日 AFP】2010年、ハンガリー西部のアルミニウム精錬工場の貯水池決壊で大量の有毒廃液が流出した事故で、過失責任などを問われている工場運営会社の社長と従業員14人の裁判が24日、事故現場に近いベスプレーム(Veszprem)の裁判所で始まった。

 2010年10月4日に起きた同国史上最悪の化学災害と言われているこの事故では、同国西部アイカ(Ajka)のアルミニウム精錬工場の廃液貯水池から周辺地域に110万立方メートルの有毒な赤い汚泥が流出し、10人が死亡、約150人が負傷した。

 今回の裁判では、工場を運営していたMALハンガリーアルミニウム製造販売会社(MAL Hungarian Aluminium Production and Trade Company)の社長、ゾルターン・バコニ(Zoltan Bakonyi)被告ら15被告が、過失に加え廃液管理における違反行為と環境に被害を与えた罪に問われている。証人尋問が10月下旬まで行われる予定だが、判決言い渡しの時期は明らかになっていない。

 MALは2011年9月、同地域の環境当局に1350億フォリント(約474億円)を支払うよう命じられたが、生産の継続は許されている。(c)AFP