【9月25日 AFP】(一部更新、写真追加)海上保安庁は25日、台湾を出港した数十隻の漁船が尖閣諸島(Senkaku Islands)沖の領海に侵入したと発表した。漁船団には台湾海岸巡防署(日本の海上保安庁に相当)の巡視船も同行していた。

 前日の24日午後4時(日本時間)ごろ、台湾の旗を掲げた60隻を超える漁船が漁師約300人と報道陣60人を乗せて台湾・蘇澳(Suao)の港を出ていた。25日の漁船はこの一部だとみられる。

 NHKは、台湾の漁船に放水した日本の巡視艇に台湾の巡視船が高圧ホースで放水する映像を放送した。

 藤村修(Osamu Fujimura)官房長官は記者会見で、25日午前9時の時点で、台湾の巡視船8隻と漁船40隻が日本の領海にいたとことを明らかにした。台湾の海岸巡防署の報道官は、漁船約60隻が尖閣諸島に接近し、一部の船は尖閣諸島から約3カイリにまで近づいたと述べた。

 海上保安庁によると、全ての台湾船は数時間後に日本の領海を出た。

■中国の監視船も接続水域に

 台湾沿岸から約200キロの東シナ海(East China Sea)上に位置する尖閣諸島は日本政府が実効支配しているが、戦略上重要な位置にあるため台湾のほか、中国も「釣魚島(Diaoyu Islands)」と呼んで領有権を主張している。

 24日には、尖閣諸島最大の魚釣島(Uotsurijima)沖の日本の領海に中国の海洋監視船2隻が7時間にわたって侵入した。さらに中国の漁業監視船2隻も一時、尖閣諸島から12カイリ(約22キロ)以内の海域に入った。

 海上保安庁によれば、25日午前7時の時点で海洋監視船4隻と漁業監視船1隻、午前9時の時点で海洋監視船4隻と漁業監視船2隻の中国船が尖閣諸島周辺の接続水域にいた。(c)AFP/Miwa Suzuki