【9月17日 AFP】18世紀のスペイン継承戦争でカタルーニャ(Catalonia)が陥落した「カタルーニャの日」にあたる11日、同州の州都バルセロナ(Barcelona)では、経済危機にあえぐスペインからの「独立」や自治権拡大を求める大規模なデモに100万人以上が参加した。

 独自の言語と文化を持つスペイン北東部のカタルーニャ自治州。経済規模はポルトガルよりも大きく、スペイン全体の5分の1を占める。しかし中央政府から搾取されているという長年の不満が、現在4人に1人が失業状態という同国全体の経済危機とそれを受けた緊縮財政に対する反発で、いつになく煽られている。バルセロナでのデモには100万人を超える住民が参加。スペインからの「独立と自由」を求めた。

 デモから2日後の13日、スペインの首都マドリード(Madrid)で行われた経済フォーラムに出席したカタルーニャ自治州政府のアルトゥール・マス(Artur Mas)州首相は、同州の自治権拡大を求める姿勢を鮮明に打ち出した。

 マス州首相はフォーラムの中で「北欧から南欧にかけて起きている状況について、スペインとカタルーニャの間には、ある平行線が生じている。カタルーニャとスペインの間には相互に倦怠感が生まれていると思う。カタルーニャは自分たちが可能だと思っている進歩をスペイン国家全体の中で遂げられないことにうんざりしており、スペイン政府も(彼らの要求に対する)カタルーニャの行動にうんざりしていることと思う」と述べた。

 そして「独立」という言葉までは用いなかったが、カタルーニャは「移行期」にあり、「カタルーニャ人は自分たちを『国家』とみなすかどうか尋ねられる権利がある。一国家となることを求める声が、カタルーニャ社会の大きな部分を占めている」などと述べ、スペインからの独立を問う住民投票に積極的な姿勢を示唆した。

 さらにマス州首相は、20日に予定されているマリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相との会談で、カタルーニャ自治州の「財政的主権」を求めるつもりであることを明かした。(c)AFP