【9月14日 AFP】リビアの米領事館襲撃事件で死亡した米国人4人のうちの1人、ショーン・スミス(Sean Smith)外交官が事件の直前に、オンラインゲーム仲間に「今夜死ぬかもしれない」とのメッセージを送っていたことが分かった。

 空軍退役兵士で領事館では情報管理を担当していたスミス氏は、オンラインゲーム「EVE Online」では知られたプレーヤーで、ゲーム内では「Vile Rat」というハンドルネームを使っていた。事件当夜にもゲーム仲間とチャット中で、次のようなメッセージを送信し、自分が死ぬ可能性をにおわせていたという。

「…今夜、僕らが死ななければの話だけど。領事館を警備する『警察』の1人が写真を撮っているのを見かけた」

 スミス氏のゲーム仲間だったという「The Mittani」氏(ハンドルネーム)によれば、スミス氏は事件が起きた際、メッセージサービス「jabber」で同氏と会話していた。しかし、スミス氏は「GUNFIRE(銃声だ)」というメッセージを最後にオフラインとなり、それきり戻ってこなかったという。

「The Mittani」氏はスミス氏と6年前に知り合い、以来ゲーム上で交流していたほか実際に面識もあった。「EVE Online」ではスミス氏は主要プレーヤーの1人で、「The Mittani」氏は不慮の死をこう悼んだ。「気付かない人も多いだろうが、このゲームはVile Ratの外交官としての才能によって世界の大部分が作られていて、プレーヤーはその中で遊んでいるんだ。Vile Ratのように外交術をためらいなく戦略的に活用するやつはいなかった」 (c)AFP