【9月11日 AFP】アフリカ東部ソマリアの議会は10日、新大統領に学者出身の活動家ハッサン・シェイク・モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)氏(56)を選出した。

 同日朝、大統領への選出に自信を示していたモハムド氏は議会で行われた2回目の投票で得票が過半数を超え、続投が有力とみられていたシェイク・シャリフ・アハメド(Sheikh Sharif Ahmed)暫定政府大統領を上回った。

 今回の選挙結果について、国連(UN)関係者は内戦が続いたソマリアの安定に向けた大きな節目だとしている。

 大統領の選出選挙をめぐっては、汚職がささやかれる現職のアハメド暫定政府大統領の続投が決まるだけと懸念する声も出ていたが、モハムド氏の獲得票は190票、アハメド暫定政府大統領は79票で、モハムド氏の大差での勝利に終わった。

 25人が立候補した第1回目の投票では、アハメド暫定政府大統領が64票を獲得して首位。モハムド氏は60票で2位だった。

 だが決選投票ではモハムド氏が勝利し、首都モガディシオ(Mogadishu)の通りでは同氏の勝利を喜ぶ人々が空に向けて発砲していた。

 モハムド氏はアハメド暫定政府大統領と同じハウィエ(Hawiye)氏族の出身で、ソマリアにおけるムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)ともいえる穏健派イスラム原理主義のアルイスラ(Al-Islah)党とつながりを持つ。また、モガディシオに大学を創設したほか、ソマリア国内にある国際機関での勤務経験がある。(c)AFP