【9月4日 AFP】仏アルプス(Alps)山脈で1966年のインド旅客機墜落現場から見つかった外交行嚢(がいこうこうのう、外交通信文書を運搬する専用袋)が3日、46年ぶりに所有者のインド政府の下に届けられた。

 1966年1月、インドから米ニューヨーク(New York)行きのエア・インディア(Air India)機が、経由地のスイス・ジュネーブ(Geneva)に向かう途中、モンブラン(Mont Blanc)山中で墜落し、乗員乗客全員が死亡した。

 その墜落現場そばで前月21日、山岳救助隊員らがインド政府の外交行嚢を発見。モンブラン山麓の町シャモニー(Chamonix)で3日、歴史的な外交文書袋は無事に地元警察から在パリ(Paris)インド大使館の2等書記官へと手渡された。

 墜落で死亡した乗客の中に英ケンブリッジ大学(University of Cambridge)卒で「インドにおける核推進の父」と称された物理学者ホミ・ジェハンギール・バーバー(Homi Jehangir Bhabha)氏が含まれていたことから、インドと敵対関係にあったパキスタンや米中央情報局(CIA)が事故に関与したなど、事故をめぐってさまざまな陰謀説がこれまでささやかれていた。冷戦時代のインドは、当時のソ連と密接な同盟関係にあった。(c)AFP