【8月28日 AFP】(写真追加)台風15号(アジア名:ボラベン、Bolaven)の影響で大荒れとなっている韓国南部の済州(Jeju)島沖で28日未明、中国漁船2隻が転覆し、韓国の海洋警察などが救助活動を行っている。

 転覆したのはいずれも中国山東(Shandong)省威海(Weihai)船籍の漁船。済州・西帰浦(Seogwipo)の海洋警察によると、海洋警察官や消防隊員が泳いで転覆船に近づいてこれまでに6人をロープで救助したが、まだ多数の乗組員が転覆した2隻の漁船のうち1隻につかまって救助を待っている。もう1隻の漁船は船体が2つに裂けて沈没したという。

 救助された乗組員らは、2隻の漁船に乗っていた人数について、31人から34人とばらつきがある証言をしている。

 台風15号はこの10年ほどで韓国を襲った台風としては最大で、韓国当局は国内のほぼ全域に警報を発令した。空の便やフェリーは欠航し学校も休校となった。台風15号は洪水被害が出ている北朝鮮に向かっている。

■各地で被害、米韓軍事演習も一時中断

 台風15号は韓国の南部と西部に暴風雨をもたらし、停電が発生したほか、街灯や看板、教会の尖塔(せんとう)などが壊れる被害が出た。テレビは家屋の屋根が壊れたり、木々が根本から倒れたりした済州島の映像を放送した。

 聯合(Yonhap)ニュースによると、27日夜から済州島で約5万世帯、全羅南道(South Jeolla Province)で7万世帯以上が停電している。

 米韓両国の軍当局は前週始まった合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン(Ulchi Freedom Guardian)」を一時中断すると発表した。今後、台風15号は午後2時ごろソウル(Seoul)に最も接近し、その後は午後6時ごろ北朝鮮に到達する見込みだ。

 台風15号が通過した後も、台風14号(アジア名:テンビン、Tembin)が朝鮮半島に接近する兆しをみせている。(c)AFP/Park Chan-Kyong