【8月3日 AFP】米ワシントンD.C.(Washington D.C.)のレーガン・ナショナル空港(Reagan National Airport)で7月31日、管制官のミスにより離陸中の旅客機2機が着陸しようとする別の旅客機1機と異常接近する事故があった。米連邦航空局(Federal Aviation AdministrationFAA)が2日、発表した。3機には乗客乗員計192人が乗っていた。

 空港南部で発生していた悪天候を避けるため、管制官が航空機の発着する滑走路と進行方向を変更した際、誤った伝達が行われたことがニアミスの原因とみられている。FAAのマイケル・フエルタ(Michael Huerta)長官代理は、「3機が互いに衝突する進路を取った瞬間は一度もなかった」と強調している。

 レーガン・ナショナル空港は、ポトマック川(Potomac River)をはさんでホワイトハウス(White House)とさほど離れていない。

 FAAの発表によれば、着陸体勢に入ったリパブリック航空(Republic Airlines)3329便と離陸中のチャウタクワ航空(Chautauqua Airlines)3071便が最接近したとき、2機の垂直間隔は約1520メートル、水平間隔は約244メートルだった。また、同じく離陸中だった別のリパブリック航空機とも、再接近時で垂直間隔約3830メートル、水平間隔約244メートルだったという。

 ニアミスの原因についてFAAは、レーダー管制システムの担当職員と管制塔にいた交通管制官2人との間で伝達ミスがあったためと説明。「起こってはならない伝達ミスが起きた。現在、FAAの安全管理担当らがなぜ伝達ミスが起きたか調査しており、適切な措置を取る予定だ」と述べている。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)によれば、ニアミスを起こした3機はいずれもUSエアウェイズ(US Airways)の共同運行便で、乗客乗員合わせて192人が乗っていたという。(c)AFP