【8月2日 AFP】シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は同国の「軍の日」にあたる1日、1年5か月目に入っているシリアの反体制行動の粉砕を目指す軍事行動はシリアの未来に不可欠なものだと述べた。国営シリア・アラブ通信(SANA)が伝えた。

 これについてパトリック・ベントレル(Patrick Ventrell)米国務省報道官は、「見えないところに隠れている男が軍に自国民の虐殺を続けさせているというのは、率直に言って卑劣だとわれわれは考えている」と述べ、「軍の日」に公の場で演説しなかったアサド大統領をあざけった。

 シリア北部のアレッポ(Aleppo)では7月20日から戦闘が激化。7月28日に反攻を始めた反体制派は7月31日にアレッポ市内の3か所の警察署を制圧し、次は政府の情報機関を狙うと話している。

 一方、国連(UN)のマーティン・ネシルキー(Martin Nesirky)報道官は国連本部で、反体制派が戦車を含む重火器を入手したことをシリアにいる国連停戦監視団が確認したと述べた。また国連監視団は、31日にアレッポを視察した際ジェット戦闘機1機がアレッポを攻撃しているのを目撃したと報告してきたという。

 現地にいるAFPの記者も、反体制派が複数の戦車を奪い、幾つかの機甲部隊が車両とともに政府軍を離脱したと報告していた。

 ネシルキー報道官は、潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長はシリア政府と反体制派の双方に戦闘をやめさせるよう、国際社会が協調して圧力をかけることを望んでいると語った。(c)AFP/Iskandar Kat