【7月26日 AFP】ロシアのウラル(Ural)山脈にある森で、病院により不法投棄されたとみられる中絶胎児の遺体計250体近くが入った大型容器4個が見つかったことが、24日の警察の発表で明らかになった。

 胎児が入った大型タンクは、スベルドロフスク(Sverdlovsk)州の州都エカテリンブルク(Yekaterinburg)北75キロにある森の中で22日、散歩をしていた地元住民によって発見された。

 翌23日午前に到着した警察が調べたところ、ホルムアルデヒドで満たされた容量50リットルのタンク4個の中から、妊娠12~16週とみられる胎児の遺体計248体が発見された。胎児には、名字と番号が書かれた札が付けられていた。番号は堕胎が行われた病院を示すものと思われる。

 地元警察は、これらの遺体が付近の複数の病院によって「バイオ廃棄物」として不法投棄されたものだとみている。

 ロシア議会下院(国家会議)家庭女性子供問題委員会の委員長を務めるエレーナ・ミズリナ(Elena Mizulina)議員は日刊紙イズベスチヤ(Izvestia)に対し、現場からは犯罪行為を示す証拠が多数発見されたと話した。ロシアでは妊娠12週を超えた中絶は法律で禁止されているが、胎児の大きさからみて既に違法な段階になってから中絶が行われた可能性が高く、ミズリナ議員は「医療関係者が証拠隠滅のために投棄したのではないか」と推測している。

 ロシアでは毎年、約500万~600万件の違法中絶が行われているという。(c)AFP