【7月24日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalunya)自治州で22日に発生した山火事は、25メートルの強風にあおられ23日までに約1万3000ヘクタールを焼き、現在も鎮火の見通しは立っていない。この火事の煙は約150キロ離れたバルセロナ(Barcelona)にも届いた。自治州政府によるとこれまでに4人が死亡し、23人が負傷した。

 22日に同自治州ポルトボウ(Portbou)で、フランス人男性とその15歳の娘が火の手を逃れようと乗っていた車から出て崖から海に飛び込もうとして死亡した。ポルトボウ市長は、飛び降りた際に岩にぶつかったのだろうと話している。死亡した男性の妻とこの夫婦の子供2人は負傷して病院に運ばれた。

 この他、自宅が焼けるのを見ていて心臓発作を起こしたスペイン人男性(75)と、乗っていた車が火に包まれてやけどを負い病院に収容されていたフランス人男性(64)が死亡した。同じ場所で車に乗っていた約100人が車を捨て、急な坂を徒歩で下って浜辺に避難した。

 スペインから500人、フランスから450人の消防士が出動したほか、軍、警察、ボランティアなど合計約1300人が消火に当たっている。飛行機とヘリコプターも計33機が投入されている。

 同自治州の内務相は23日夕、鎮火の見通しは立っていないが、風が弱まったこと、気温も下がるとみられることは明るい材料だと報道陣に述べた。出火原因はたばこの吸い殻か小型の爆発装置とみられている。(c)AFP