【7月20日 AFP】(一部更新)米海底探査会社オデッセイ・マリン・エクスプロレーション(Odyssey Marine Exploration)は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツ(Nazi)の潜水艦「Uボート(U-boat)」に攻撃され沈没した英国の商船「ゲアソッパ(Gairsoppa)号」から、積荷の銀塊43トンを回収したと発表した。現在の市場価格に基づいた試算では、3800万ドル(約30億円)相当の価値があるという。

 ゲアソッパ号は1941年2月、銀塊や銑鉄(せんてつ)、茶葉などを積んでインド・カルカッタ(Calcutta)から英ロンドン(London)に向かう途中でUボートの攻撃を受け、沈没。オデッセイ社の調査で2011年、アイルランド南西沖の北大西洋(North Atlantic)の海底4700メートルに眠っているのが確認された。

 オデッセイ社によると、回収された銀塊は1203個(140万トロイオンス)で、英国内で大切に保管されている。同社が英政府と交わした契約では、銀塊は競争入札され、売り上げは引き揚げ費用に充当した後、残額の8割を同社が受け取るという。

 第二次世界大戦中には、独潜水艦「U-101」により22隻の商船が撃沈された。ゲアソッパ号は護衛艦を伴っていたが、燃料が不足したためアイルランドのゴールウェー(Galway)港へ寄航しようと単独で船団を離れたため、不運な最後を迎えることとなった。Uボートによる攻撃では、ジェラルド・ハイランド(Gerald Hyland)船長以下、砲手2人とインド人を中心とした船員81人が船と共に海へと沈んだ。(c)AFP