【7月18日 AFP】国際自転車競技連合(International Cycling Union、UCI)は17日、2012ツール・ド・フランス(2012 Tour de France)参戦中のレディオシャック・ニッサン(RadioShack-Nissan)に所属するフランク・シュレク(Frank Schleck、ルクセンブルグ)から、禁止薬物の陽性反応が出たと発表した。

 UCIは、「ツール・ド・フランスで採取されたシュレクの尿サンプルから、世界反ドーピング機関(World Anti-Doping AgencyWADA)が禁止薬物に指定している利尿剤キシパミド(Xipamide)が検出された」と発表。「シュレクにはBサンプルを提出し、再検査を求める権利がある」と付け加えた。

 レディオシャックも同日、シュレクのツール・ド・フランス棄権を発表し、同選手が警察に出頭して事情聴取を受けていることを明らかにした。

 チームの広報を務めるフィリップ・マルテンス(Philippe Maertens)氏は、「フランク・シュレクは大会を去り、自ら警察に出頭した。現在は事情聴取を受けている」と語った。シュレクの出頭は、チームの宿泊先に警察の強制捜査が入る事態を避けるためと推測されている。

 マルテンス氏は、捜査の進展を見守るとしながらも「Bサンプルでも陽性反応が出た場合は、出場停止処分を下す。シュレクはマネージャーのヨハン・ブリュイネール(Johan Bruyneel)氏とも話をしたがその内容を明かされていない」と述べた。

 レディオシャックは声明で、「私たちはチームの透明性を重要視しており、チームはフランク・シュレクを即座にツール・ド・フランスから棄権させることを決めた」と発表。キシパミドについては、「チームで使用している薬にはない」としている。キシパミドはWADAが分類する「特定の物質」にあたり、シュレクには無実を証明する機会が与えられる。

 WADAの規約で、キシパミドは「パフォーマンス向上目的での使用ではないとの証明が可能な物質」に指定される。罰則は最初の違反で戒告か最大1年間の出場停止、2度目は2年間の出場停止、3度目は永久追放処分となっている。

 むくみや高血圧の治療に使用されるキシパミドは、運動能力を直接向上させるものではないが、減量作用により山岳ステージでの成績を向上させる効果があるとされている。また、排尿頻度が増加することで物質が体内から外へ排出されるため、禁止薬物使用の隠蔽(いんぺい)が可能になる。

 スペインのアルベルト・コンタドール(Alberto Contador)が2010年大会の優勝資格を剥奪されたことで、繰り上がりで総合優勝を果たしたアンディ・シュレク(Andy Schleck)を弟に持つシュレクは、今大会で現在マイヨ・ジョーヌ(総合首位)を保持するスカイ(Sky Pro Cycling)のブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins、英国)に9分45秒遅れの総合12位につけていた。

 ちょうど一週間前の10日には、コフィディス・ル・クレディ・アン・リーニュ(Cofidis, Le Credit En Ligne)のレミ・ディ・グレゴリオ(Remy di Gregorio、フランス)が禁止薬物摂取の疑いで警察に拘束されている。(c)AFP/Justin Davis