【7月16日 AFP】エジプトを訪問中のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が15日、湾岸都市アレクサンドリア(Alexandria)を訪れた際、「モニカ!モニカ!」と叫びながらトマトを投げつけるデモ隊に出迎えられる一幕があった。

 この掛け声は、クリントン国務長官の夫、ビル・クリントン(Bill Clinton)氏が米大統領時代に起こした不倫スキャンダルの相手、モニカ・ルインスキー(Monica Lewinsky)さんにちなんだもの。エジプト治安当局によれば、米領事館前に集まったデモ隊は到着した車列に対し、口々に「モニカ、モニカ」「出て行け、クリントン」などと叫びつつトマトや靴、水の入ったペットボトルなどを投げつけたという。

 米当局によればクリントン長官の乗った車に当たった物はなかったという。

 14日にエジプト入りしたクリントン長官は、首都カイロ(Cairo)でムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領や軍事評議会のムハンマド・フセイン・タンタウィ(Muhammad Hussein Tantawi)議長と会談した後、米領事館の開館式典に出席するためアレクサンドリアを訪れた。同地の米領事館は予算削減のため1993年に閉鎖されたが、このほどエジプト経済支援のため再開する運びとなった。

 15日の抗議運動は、エジプトで前月行われた大統領選挙で勝利したムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)が米国の援助を受けていたとする疑惑に基づくとみられる。クリントン長官は式典で、「エジプト大統領選の勝敗に米国は何ら関与していないことをはっきりさせておきたい。たとえ干渉できたとしても、するつもりはない」と疑惑を否定した。(c)AFP