【7月12日 AFP】南アフリカで、最近ヒツジを盗まれたある畜産農家が対策としてヒツジの群れに携帯電話を「持たせた」ところ、効果があったという。ケープタウン(Cape Town)の日刊紙ケープ・タイムズ(Cape Times)が11日伝えた。

 報道によると、畜産農家を営むエラール・ロウ(Erard Louw)さんにとって「ヒツジから電話がかかってくる」のは悪い知らせだ。

 ヒツジたちが首から下げた携帯電話は、ヒツジが走り始めた時にだけスイッチが入るように設定してある。つまり電話が鳴るということは、家畜泥棒が牧場の囲いを切って中に忍び込んだという合図なのだ。「ヒツジたちが走りだすと『ヒツジ1』『ヒツジ2』といった音声で警告が来る。牧場は750ヘクタールもあるが、とりあえずどこから探せばいいかだけは見当が付く」

 数週間前に忍び込んだ家畜泥棒は、ヒツジ27匹と子ヒツジ13匹を盗んで行った。警察を呼んでも役に立たない。一番近い駐在所でもかなり遠いし、呼びに行こうとしたら自分の車がなくなっていたり、タイヤがなかったりした。ガソリンが抜かれていたこともあった。それも泥棒たちの仕業だという。

 家畜を守ろうと頭をひねったロウさんが考え付いたのが、携帯電話型のセキュリティー機器だ。ヒツジの群れごとに4匹の首回りに取り付けたところ、成果は上々。既にヒツジ泥棒1人を捕まえることに成功したという。(c)AFP