【7月6日 Relaxnews】子を持つ親は風邪を引きにくい、とする米大学の研究論文が英医学誌「サイコソマティック・メディシン(Psychosomatic Medicine)」7月号に掲載された。子どもがいるか、いないかで心理面や行動面に現れる「違い」が、病原体への感染率を低下させている可能性があるという。

 米カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)の研究チームは、ストレスや社会的要因が風邪の引きやすさに与える影響を調べた3つの先行研究から795人分のデータを分析した。これらの実験では、健康体の被験者に風邪の原因となるライノウイルスかインフルエンザウイルスを含む点鼻剤を投与し、影響を見ている。

 分析の結果、子どものいる被験者は、いない被験者と比べて風邪を発症する確率が52%低かった。人数別に見ると、子どもが1~2人いる親は48%、3人以上いる親は61%、発症率が下がった。子どもが同居しているか、別居しているかは関係なかった。

 論文を執筆したシェルドン・コーエン(Sheldon Cohen)氏は、子どもがいると感染率が下がる理由を「特定することはできなかった」としつつ、「研究ではウイルスへの免疫についても考慮に入れており、親が子どもを通じてウイルスへの接触機会が増えるために感染率に違いが出たわけではないと考えられる」と述べている。

 研究チームは科学ニュースサイト「サイエンス・デイリー(Science Daily)」で、病原体への感染によって分泌される「サイトカイン」という物質の働きが、子を持つことによって改善されるとする見解を示している。同サイトによれば、ストレスの軽減や前向きな姿勢といった心理的要因とサイトカインの分泌との関連性は先行研究でも指摘されているという。(c)Relaxnews/AFPBB News