【6月25日 Relaxnews】赤毛にそばかす顔の、ごく普通の少年。彼こそが米ロサンゼルス(Los Angeles)で最も洗練された高級レストランにやってきた今話題の新顔シェフ、フリン・マクガリー(Flynn McGarry)くん(13)だ。

 その口からは「ナスタチウム」や「フェンネル」といった料理素材用語が飛び出し、あどけなさの残る声で自分より3回りも年上のコックたちに指示を出す。

 「料理の神童」「米国で最も熱いシェフ」など数々の異名を持つマクガリーくんは、食通の子どもを意味する「クーディーズ(koodies、kidとfoodieを合わせた造語)」の1人として知られる。米テレビNBCの番組「ナイトリー・ニュース(Nightly News)」もマクガリーくんを取材。前週、市内の高級レストラン「プラヤ(Playa)」で料理への熱い思いを語り、見事な包丁さばきや料理の盛り付けを披露する姿を放映した。

 プラヤは著名シェフのジョン・セドラー(John Sedlar)氏がオーナーシェフを務めるレストラン。そのセドラー氏から直々にプラヤの厨房をまかされたマクガリーくんは、ポロネギの揚げ物とフェンネル添えのマス料理、野生のフェンネルとナスタチウム(キンレンカ)の料理など、9皿のフルコースを客に振舞った。

 「フリンは、かなり変わった少年だね。それに強い情熱を持っている」と、セドラー氏は語る。

■「かなり変わった少年」

 一般的な10代の少年の基準から見れば、確かにマクガリーくんは「かなり変わった少年」だろう。何しろ、料理好きが高じて自宅の自分の部屋を料理実験室に変えてしまったほどなのだ。

 ビデオゲームや少年野球のトロフィー、映画スターのポスターの代わりにマクガリーくんの部屋にあるのは、フードプロセッサーや鍋、フライパン、まな板など。机もスチール製の調理テーブルだ。この部屋でマクガリーくんは毎月1回、自宅の食堂で開く夕食会「ユーリカ・クラブ(Eureka)」で提供する創作料理を研究する。

 早熟な調理人のマクガリーくんは、10歳のときから料理の腕をみがいてきた。キッチンに立つ姿は自信に満ち、手さばきも長けている。

 料理に興味を持ったのは母親の手料理がきっかけかと尋ねられたマクガリーくんは、大きな声で「違う!」と5回も繰り返した。母親の簡素な料理からの「自衛策」として自身で料理を始めたところ、料理への情熱に本格的に火がついたのだという。将来の夢は、「ミシュランガイド(Michelin Guide)」の3つ星レストランや世界のベストレストラン番付50位以内に入ったレストランで、キャリアを積むことだと話す。

 だが13歳にしてマクガリーくんの履歴書は既に、自身の年齢の何倍も年上のシェフたちよりも立派で印象的だ。たとえば今年の夏休みの予定は、シカゴ(Chicago)の高級レストラン「ネクスト(Next)」と「アリニア(Alinea)」で有名シェフのグラント・アケッツ(Grant Achatz)氏のもとインターン修行を積み、続いてシアトル(Seattle)の料理研究グループ「モダニスト・クイジン(Modernist Cuisine)」の実験レストランで料理を披露したら、無事に学校の8年生を修了する、というものだ。

 そんなマクガリーくんの最新の料理研究については、ホームページ「http://www.diningwithflynn.com」で知ることができる。(c)Relaxnews/AFPBB News