【6月17日 AFP】英スコットランド西部アーガイル(Argyll)に住む9歳のマーサ・ペイン(Martha Payne)ちゃんは1か月半前、学校のイマイチな給食を写真に撮り、『NeverSeconds(おかわりは無しで)』と名付けたブログに投稿し始めた。

 給食の味やヘルシー度をポイントで評価している他、「入っていた髪の毛の本数」まで記録したブログは、たちまち有名になった。ブログを見た世界中の読者からも、給食の写真が投稿されるようになった。

 ある日のメニューは、青白く写っているチーズバーガーとポテトコロッケ2個、キュウリ3切れとアイスキャンデー。マーサちゃんのポイントは10点中2点だった。

 父親の助けを借りてマーサちゃんがブログを立ち上げた目的は、開発途上国の子どもたちに食料支援を行っている慈善団体「メアリーズ・ミールズ(Mary's Meals)」のための募金集めだった。

 ところが前週14日、マーサちゃんの投稿に異変が起こった。「今朝、算数の授業中に校長先生に呼び出され、校長室へ連れて行かれました。今日の新聞に記事が載ったから、もう給食の写真を撮ってはいけないと言われました。もう写真が撮れないと思うと、悲しいです。メアリーズ・ミールズのためのお金も集まらないでしょう」

 地元のアーガイル・アンド・ビュート(Argyll and Bute)議会は15日、マーサちゃんのブログについて複数の報道があり、中には「給食係、削減すべきは今」といった見出しもあって、配膳業者のスタッフが解雇されるのではないかと不安がっていると説明した。

 しかし数時間後、議会はブログに対する批判を撤回せざるをえなくなった。ソーシャル・ネットワーク上で批判の大旋風が巻き起こったからだ。ついには「本議会は検閲などしない」と声明を発表しなければ収まらなくなった。

 この騒動でマーサちゃんのブログの訪問者はかえって増え、340万人を超えた。ブログの募金コーナーで15日午後5時までに集まった額は、マーサちゃんが考えていた目標額7000ポンド(約85万円)を大きく超え、3万7000ポンド(約458万円)を達成した。(c)AFP

【参考】マーサちゃんのブログ(英語、仕切りのついた白いプレートがマーサちゃんの給食)