【5月28日 AFP】ペルー海軍当局は25日、同国リマ(Lima)近郊の海岸で数千匹の甲殻類の死骸が発見されたと発表した。同国ではこれに先立ち、イルカやペリカンの謎の大量死も発生している。

 グラディス・トリベーニョ(Gladys Triveno)生産相は、甲殻類の死因について調査中であり、「この現象の原因を推論するには時期尚早だ」と注意を促している。

 海軍当局は原因究明のため、この大量死についての報告書を環境評価監査局(Agency of Environmental Evaluation and Control)に提出したという。

 カジェタノ・エレディア大学(Cayetano Heredia University)の生物学者、ユリ・フッカー(Yuri Hooker)氏によれば、リマから約60キロ南にあるプクサナ(Pucusana)の海岸で大量死が発見されたのは、エビに似た体長3センチほどの赤いオキアミの一種。

 フッカー氏は「この種は主にチリ沿岸からペルー北部沿岸にかけて生息しており、今回の現象はペルー北部沖の太平洋の海水温が上昇したことの影響だ」と説明し、大量死は「一定の頻度」で発生するものだと付け加えた。

 フッカー氏によれば、通常は遠洋に生息するオキアミが海水温の上昇によって海岸近くへと移動し大量死したと考えられるという。(c)AFP

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